うつ病の回復スピードは?

2019年4月15日. 月曜日

うつ病はいつ頃治るのですか?という質問を良くいただきます。これは当然の疑問です。ある程度以上のうつ病になると仕事を休む必要があり、いつ治るかわからければ、生活のめどが立たちません。

一方、うつ病などの心の病気は、風邪なら1週間、肺炎なら2週間というように、回復の時期を分かりやすく予測するのが難しいことも事実です。

回復の目安で参考になるのは、うつ病の治療に使われる抗うつ薬の治験データです。治験とはお薬の開発で効果や安全性を確認するために行われるものです。

多くの抗うつ薬の治験データで共通に認められるのは、うつ病の方は大体2ヶ月位で少なくとも3分の2位の方が回復していいるという事実です。

ですから、うつ病は、順調にいけぱ、大体2-3ヶ月位で回復するといっても良いでしょう。これはあくまで平均値を見た場合で、回復スピードは一人一人異なります。

どのような場合には回復が遅くなるのでしょうか?日々の診療で良く見受けられるのは、十分に休養ができていないケースです。うつ病治療の基本は、休養と服薬です。いくら良いお薬を飲んでいても、ストレスから離れ十分に休養しなければ、回復するのが難しくなります。

もう一つは、心に深い悩み、トラウマ、葛藤などがある場合です。心に深い悩み、トラウマ、葛藤があると不安が強くなり、回復が遅れてしまいます。

うつ病の治療は、休養と服薬がうまく噛み合えば、ほとんどの方が回復していきます。誰にでもうつ病からの回復力があります。良くならないのは、回復を阻害する因子があるからです。

うつ病が治りにくい時は、あなたの主治医と相談し、回復を阻害する因子がないか良く点検してもらいましょう。回復を阻害する因子を取り除き、確かな回復を自分のものとしましょう。

院長 高橋道宏

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