こころの病気を治す上で大切な価値観は?

2022年2月7日(月)

うつ病、適応障害、不安障害などの治療は休養、お薬による治療に加え、病気の原因になった生活習慣、物の考え方を少しづつ変えていくことが大切です。

自分の生活習慣、物の考え方を変えるのは一朝一夕にいかず、時間がかかります。こころの病気の治療が長期間に及ぶ原因の一つです。

治療に時間がかかると、焦りが生じます。健康な人と自分を比べ、自分が劣っているのではないかと考えるようになります。しかし、このような考え方は心を暗くし、治療の妨げになるだけです。

心の病気を治す時に大切なことは、自分を他人と比べないことです。

会社や学校などでは、生産性を向上させるために競争を促し、他人と比べ優劣を競い合う価値観があります。

しかし、このような価値観では心の病気を治すことができません。

心の病気は、その方のこれまでの生き方、経験などの蓄積が複雑に絡み合って起きています。

比較、優劣の問題ではないのですから、他人と比べても病気を治す上で何の役にも立ちません。

病気の原因になった生活習慣、物の考え方を変えようとすれば進歩があります。

他人と比べるのではなく、過去の自分と現在の自分を比べ、自らの進歩を素直に喜ぶ姿勢が大切なのです。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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