2021年7月12日(月)
うつ病の治療がうまくいき最近まで少しずつ良くなっていたのに、急に調子が悪くなってくることがあります。
このような時、具合が良くなっていたことを忘れ「病気は悪くなるばかりだ。」などと考えてしまうことがあります。
多くの場合、具合が一方的に悪くなっているわけではありません。
症状が一時的に悪くなると、右肩下がりに悪くなったように感じますが、これは錯覚です。
この錯覚の原因はうつ病でみられる否定的認知(2021年6月14日ブログ「うつ病でみられる否定的認知とは?」参照)にあります。
うつ病になると「どうせ病気は治るわけがない」などと否定的な考えに傾きがちです。このような否定的認知を修正し、現実を正しく見据えることが大切です。
うつ病からの回復は、調子が良くなったり、悪くなったりしながら、少しずつ良くなります。
これは季節の変わり目の温度差の大きい日々を意味する「三寒四温」に例えられています。
うつ病の回復は具合いが良くなったり、悪くなったりしながら少しづつ良くなります。
このような山あり谷ありの回復の特徴を理解し、過度に否定的にならないことが大切です。
症状の変動に一喜一憂せず、うつ病は必ず治ると信じましょう。
このような心持ちで治療を続ければ、うつ病は必ず回復に向かいます。
院長 高橋道宏